
エレベーターから降りて歩くと…
こんにちは、のこのこです。
春のあたたかさが感じられる今日この頃ですが……今日はそんな陽気を吹き飛ばすような、ちょっと怖い話をお届けします。
これから話すのは、つい先週、私が実際に体験した出来事です。
作り話ではなく、本当にあったことです。
気軽に読もうとしている方は……今すぐ読むのをやめてもいいかもしれません。
読んでしまったら、きっと、あなたも靴を履くたびに思い出してしまうから。
あの日は、友達と夜ごはんに行く約束をしていて、私は少し早めに支度を終えました。
玄関には、あらかじめ2足の靴を用意していました。
ひとつはデザイン重視で少し履きにくい靴。
もうひとつは、いつも履いている、楽ちんなお気に入りの靴。
そのとき私は「今日は特に人に会うわけでもないし」と、迷わず履き慣れた靴を選びました。
左、右、しっかり履いて、靴ひもも結んだのを覚えています。
エレベーターに乗って1階へ。
扉が開くと、外は夕暮れ。風がびゅうびゅう吹いていて、
なのに空気がどこか湿っていて、生温かい。
少しだけ、胸のあたりがザワザワしました。
でも、気にしないようにして一歩踏み出し――その瞬間、私は思わず立ち止まりました。
……足元がおかしい。
履いていたはずの靴が、違うんです。
間違いなく、さっき選ばなかった方。
玄関で「今日はやめておこう」と思った、あの靴。
しかも、しっかり履かれている。
まるで最初から、こっちを選んだかのように、しっかりと足に馴染んで。
そんなわけない。
私は慌てて引き返そうとしました。
でも、エレベーターはもう閉まり、上へと戻っていきます。
それ以来、私は玄関で靴を選ぶのが少し怖くなりました。
何気ない選択をした“はず”が、いつの間にか、選ばされている気がして。
あの日、本当に玄関で履いたのはどっちだったのか?
もしあなたも、今朝履いたはずの靴が、なんとなく“違う感じ”がしたなら。
それは、もしかすると――
あなたが選んだんじゃなくて、靴の方があなたを選んだのかもしれません。
いかがでしたか?
春って、気が緩みがちな季節でもあります。
日常の中に潜む“ちょっとした違和感”、見逃さないでくださいね。
それではまた、お会いしましょう。
のこのこでした。